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あなたが選ぶのは大学病院?市中病院?
大学病院と市中病院はどちらが人気?
2004年の臨床研修制度必修化以降、市中病院に就職する先生が増えました。
大学病院に属していると、周りにこんなに多くの先生がいて、市中病院を選んでいる人っているのだろうか?と思うこと、ありませんか?
実際大学病院の初期臨床研修先の定員数は圧倒的に多く、例えば東京大学医学部附属病院は100名以上の定員数。
一方市中病院は、病院全体で数名の採用の病院も多いです。
100名に対して80名応募するのと、3名の採用に対して8名応募する。
倍率を言えば、定員が少ない方が高くなるのは当然です。実際、大学病院と市中病院の採用比は大学病院が42.8%に対して、市中病院は57.2%と、実は市中病院を選択している医学生が多いのです。
では大学病院は不人気か?と言えば、決してそうは言えません。
しかし大学病院は、人気の地域差が大きく東京、神奈川、大阪、福岡は人気がある大学病院が多いです。
これは想像の通りかと思います。公立大学、私立大学ともに有名医学部は東京などの大都市に集中していることから、大学病院の人気も有名医学部にならって集中しています。
では大学病院と市中病院、どちらがどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
大学病院のメリット・デメリット
自分の大学から自校の病院に進む最大のメリットは、大学からの先輩が多く出世に有利に働く点。
他大学出身者よりも、出世には圧倒的に同門と言われています。もちろんこれは、医師の世界だけではなく金融業界はじめ世の中の企業にも同じことが言えます。
また大学病院はマイナー科含め、診療科の多さも魅力の1つですね。
もし進みたい診療科がマイナー科の場合、市中病院を選びたくても市中病院にはない科で選べないことも少なくありません。
様々な診療科があり、様々な症例の患者様が診られる点は大学病院ならではの魅力。
そして定員数が多いということは、先輩(指導医)も多いということ。手取り足取りとは言いませんが、市中病院に比べると手取り足取りに近いかたちで指導いただけるのは大学病院のメリットです。
一方デメリットは?
まず中堅層が少ないため、ロールモデルが不在…というのは以前書かせていただいた通り。
更に医局員が多いのは指導医が多い…という反面、人手が足りすぎており、若いうちは長く雑用を任されること。
思い描いていたキャリアパスを描けないから転職したい…という相談をいただくケースが多いのも、うなずけます。
転職希望の先生から一番多く聞くデメリットは、大学病院は給与が安いこと。
やりたいことを選びたいと思いつつ、生活を考えると給与は大切ですよね。
市中病院のメリット・デメリット
市中病院のメリットは、まず給与が大学よりも高いこと。
じゃあ、どのくらい違いがあるのか…?気になるところですよね。
実は大学勤務医の半数は月給20万円以上、30万円未満と答えているのに対し、市中病院の半数は月給30万円以上、40万円未満と答えているのです。
最大20万円のち外がり、年間で単純計算しても240万の差が出てきます。同じ経験年数で、同じペースで働いて年収240万の差があれば、市中病院を選びたくなりますよね。
また医師人数も大学病院に比べると少ないため、良く言えば若いうちから医師として求められるものが多く、早くから吸収できる環境があります。
また大学のような特殊な症例は少ないものの、一般的な症例が多く経験できるのも市中病院の良さでしょう。
一方デメリットは、マイナー科が少なく、特殊な症例に出会うケースが少ないこと。
また医師人数もギリギリで運営されているため、指導医の少なさや教育体制が不十分であることがデメリットです。
転職のプロにもご相談ください
私たちコンサルタントは、そういった先生のお悩みを聞き少しずつでも前進できるように、一緒にこれからのキャリアを考えるのが仕事です。
やりたいことはあっても、給与が安いとやっていけないのはわがままなのでしょうか…という先生から、相談いただいたことがありました。私はそうは思いません。
やりたいことがあることは、本当に素晴らしいことだと思います。しかし給与や待遇面は、生活に直結する問題ですからプライオリティが高いのは当然だと思います。
先生方の悩みと希望を聞いて、改めて整理させていただきながらキャリアパスを一緒に考えさせていただきたいと思っております。是非悩んだら、一度コンサルタントに相談してみてはいかがでしょうか?
これからの長いキャリアの中で、迷うことも回り道ではありませんので、どうぞご安心ください。
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現役の美容外科医。健康や予防医学などの講演活動や保護犬活動を行う。京都府立医科大学卒業。日本医師会認定産業医、日本抗加齢医学会所属。
新米医師転職コンサルで、以前は看護師向けの転職会社で勤務していた。看護師とは全く違う医師の世界に悪戦苦闘中。