キャリアパスが考えにくい環境がある
ロールモデル不在の医局
医師として憧れる上司、先輩はいますか?
こう質問されて、複数名…せめて、身近な医師で1名でも思い当たる先生はいらっしゃいましたか?
大学の医局は、大所帯。先輩も後輩もひしめき合っていますよね。
そんな身近な人で、目指したい先生はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。
教授クラスの先生は、雲の上の人…そして年齢を比べても、決して身近な存在にはなり得ないですよね。
もちろん○○教授に憧れて、この医局を志望した!という志の高い先生も多いと思います。そして「尊敬」という表現を使えば、きっと教授クラスの先生を尊敬されている方も多いことと思います。
しかし「憧れ」となれば、実際はご自身に比較的近い年齢で、自分の近い将来が想像できる先輩…というのが、憧れの対象になりやすいものと思います。
医局の難しいところは、30代以降は関連の病院に出向いてしまっており、手の届く年齢の先輩がごっそりと不在の医局も少なくないですよね。
そうなると、自分の働く姿として1年後、3年後、5年後が正直全く想像できない…日々をこなすだけでも精一杯の若手の先生にとっては、これは近い目標設定ができず非常に悩ましい状態です。
医師の仕事をモチベーションで語るなと言われてしまいそうですが、医師だって人間です。
モチベーションを保てなくなることだってありますよね。そんな時に相談できる少し年上の先輩の存在って、とても大切だと感じます。
うまく相談先が見つからず、私達のようなエージェントに相談いただくケースが増えているところを見ると、医局の在り方の難しさを感じざるを得ません。
大学から市中病院のキャリアが分からない
後期臨床研修医制度が始まって以来、市中病院へ進む先生も増えております。
ただ大学の医局には、大学のみしか知らない先生方が多く、市中病院のメリットやデメリットを直接アドバイスもらえる機会は大変少ないです。
果たして市中病院に進んで良いものか?と悩んでいるうちに、なし崩し的に大学へ…という先生の相談を受けたことがありました。
実はまわりにもそういった先生が多いという話を聞き、先生方が相談できる先の少なさに驚きを感じます。
マッチングシステムを駆使した初期臨床研修。
いくらコンピュータが優秀になってきたとは言え、対面で相談することができる環境は貴重だと私は思います。
大学のキャリアセンターがない大学、また医学部では相談に行く生徒はいないという大学。
附属病院があるため、わざわざキャリアセンターを開設して卒後のキャリアを考える必要がないという考えがベースにあるんですよね。
本来は将来のキャリアプランに沿ったキャリアアドバイスがあれば、臨床現場に入ってから明確なキャリアパスにつながるのではないか…と考えています。
もし大学や周りに適切な相談先がない先生は、ぜひキャリアコンサルタントへ相談してみてください。
転職のプロにもご相談ください
私たちコンサルタントは、そういった先生のお悩みを聞き少しずつでも前進できるように、一緒にこれからのキャリアを考えるのが仕事です。
ただ転職活動となると、就業先のお相手があって成立するもの。
面接いただく先生は、もちろん今まで豊富なご経験を積まれた先生方です。若手医師の透ける思いに「これだからゆとりは」と、感じられるかもしれません。
もちろん医療業界だけではない、この時代の流れもあります。必ずしも迷子になっている先生が、悪い医師ではないと思います。
本質的に良い人間性である先生を、一緒に選考していただけると嬉しいなと感じております。
「やりたいことがない」「医師を続ける自信がない」という先生。
そういった思いを持つのは、あなただけではないかもしれません。是非悩んだら、一度コンサルタントに相談してみてはいかがでしょうか?
これからの長いキャリアの中で、迷うことも回り道ではありませんので、どうぞご安心ください。
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30代地方都市在住の現役麻酔科医です。転職会社を探していたところ怪しい情報が次々に出てきたため、自分と周囲の先生方が使った感想を記します。
現役の美容外科医。健康や予防医学などの講演活動や保護犬活動を行う。京都府立医科大学卒業。日本医師会認定産業医、日本抗加齢医学会所属。
新米医師転職コンサルで、以前は看護師向けの転職会社で勤務していた。看護師とは全く違う医師の世界に悪戦苦闘中。