医師以外の有能な職員はいずこへ?
病院内のヒエラルキー
私が医師転職コンサルタントとして医療業界に携わって、すごく感じること。
それは病院内のヒエラルキーが「絶対的」ということです。
医療業界と広い括りですが、医師の世界でも、例えば出身大学や、専門分野、それぞれの職位など絶対的なヒエラルキーがあるとひしひしと感じます。
病院内を見ていると、医療業界全体としても決して崩せないヒエラルキーがあると感じます。
言わずもがな…「医師」という職業は、ヒエラルキーのトップだと思います。
病院は治療するための場所ですから、治療する先生方がトップに君臨するのは当然ですよね。先生がいなければ、病院が成り立ちません。
間違いなく、医療業界の花形は医師でしょう。
その次は、医師に一番近いところで看護師…でしょうか。
そして看護助手はや各セラピスト、コメディカル含む事務方…と続いていく。
その構造自体は私も悪いことだと思いません。病院だって収益を追求していかなければいけませんから、収益を上げてくれる先生の給与が一番高いことも当然です。
私がこのヒエラルキーに対してすごく違和感…問題に感じるのは、コメディカルや事務方の能力問題です。
コメディカル・事務の給与の安さ
診療するのは先生方ですから、先生方の能力が高くいらっしゃれば…経営上、問題ないのかもしれません。
ただコメディカルとして診療の補助になる方が能力が高い方であれば、絶対的に先生の仕事量は減るのではないかと感じています。
能力の高い先生がいれば、経営面でそれでよし!とはなりません。
先生だけの残業が増え、仕事量が増え…先生のキャパシティに担保されている経営なんて、不健全だと思われませんか?
例えば、先生に近いコメディカルだと、医師事務作業補助の方でしょう。
能力の高い方、阿吽の呼吸で進められる方であれば、それだけで先生の診療の流れが良くなり、仕事量も減ります。
医師事務作業補助ご本人の経験の長さももちろん大切ですが、これは個々のの能力も関係してくると思います。
なぜ良いコメディカル、事務方が採用できないのか?
ズバリ…答えは、給与の安さと雇用の不安定さに尽きると思います。
医療事務はじめとし、コメディカルの多くは派遣や契約社員という非正規雇用での採用が多いです。
これは医療機関から見れば、人件費圧縮のため非正規雇用を採用したい。
しかし非正規雇用であれば、雇用の不安定さから好んで働きたい方は少ない。有能な方は、非正規雇用ではなくとも正規雇用で働くことができる職場で働く。
大学病院でも、コメディカルは契約社員であることが多いです。
また医療機関の事務方は、世の中の給与水準よりも低いです。
給与が低い職種に、有能な方が集まるか…難しいですよね。
先生も給与が他に比べて著しく低いと言われている病院、なかなか選び難いですよね。
特に給与が低いと言われているのは、市中病院。
年収ベースで300~400万程度。
厳しいですよね。続けられない、有能な方が選ぶ職種にならない…
上手い病院運営ができず、先生方の仕事量は増える、先生が思うように進まない、未来の展望が見えない…と、負のスパイラルに入っていくことになります。
ヒエラルキーの話を先にしました。
先生の給与が高いことは、もちろん悪いことではなありません。
しかし先生の給与ばかりで見てしまうと、採用含めた病院の経営力が見えないことも。結果、転職された後に苦労される先生がいらっしゃることに繋がります。
コメディカルの雇用形態を見極めて転職してください!ということではなく、給与などばかりに目がいってしまうと、思わぬところで足をすくわれてしまうことがあるので、ご注意いただきたいと思い今回のお話をさせていただきました。
転職のプロにもご相談ください
給与が高い病院がいいのか?
福利厚生が良い病院がいいのか?
安心して仕事をともにできる医師、看護師、コメディカルが揃った病院なのか?
転職に不安はつきものだと思います。様々な病院を見て、院長、事務長、看護部長と話をする機会のあるコンサルタントに是非ご相談ください。
相談するだけで、すっきり解決することがあるかもしれません。
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30代地方都市在住の現役麻酔科医です。転職会社を探していたところ怪しい情報が次々に出てきたため、自分と周囲の先生方が使った感想を記します。
現役の美容外科医。健康や予防医学などの講演活動や保護犬活動を行う。京都府立医科大学卒業。日本医師会認定産業医、日本抗加齢医学会所属。
新米医師転職コンサルで、以前は看護師向けの転職会社で勤務していた。看護師とは全く違う医師の世界に悪戦苦闘中。