働き方改革は医師の世界にも
就業先の選択肢が拡大
自分の進むべき道を悩む…というお話は、最近の若手医師の先生方にはしっくり来る話でしょう。
しかし上司である中堅、ベテランの先生方には「選択肢が多い上に、これからの進むべき道が分からないなんて贅沢な悩みだ」と思われていらっしゃるでしょう。
臨床研修制度で選択肢が増えたこと以外にも、キャリア迷子の医師を生む要因があるのです。
それは病院以外に医師の働く職場が多様化したことが、大きなポイントであると感じています。
かつては大学病院などを中心に医局でしばしば修行期間を経て、ようやく独り立ちであり、病院へ進み切磋琢磨することは医師としての必須項目でした。
しかし近年では、病院の他にも介護施設や在宅診療、または自由診療の領域も選択肢として挙げられるようになりました。
医師不足は病院のみならず、施設やクリニックでも顕著です。
そいうった中で、病院以外でも経験の浅い医師を採用をする法人が非常に多くなっております。
希望していた科とのギャップに悩み、3名に1名は進むべき道を迷っています。(30%以上が悩んでいる実態は、専門職にあってなかなかの数と言えるかもしれません。)
そいうった先生が、まずはプライベートと両立して働ける、当直がない職場といった話で就業対象にするのが施設や、クリニック、自由診療、健康診断の領域でもあります。
経験が浅いうちに進むべき進路としては、違和感を感じられるベテランの先生も多いようですが、現代の医師の転職市場は大きく変わってきてしまったのです。
昨今の日本では、労働者の働き方改革が著しいと思います。残業時間の短縮、有給消化率の向上、女性の働く職場環境の整備など国も躍起になって就業環境の改善を叫んでいます。
そんな中、医師を取り巻く環境は遅れが生じている。働き方に敏感な若手医師は、早々に各々の働き方の見直しを行っているんですね。
かつては、常勤+週1~2回のアルバイトが働き方の王道でした。
今は常勤で縛られることなく、週3~4日のアルバイトのみ、時短勤務のみを軸に働く先生も増えております。
これは働き方の柔軟性という話に加え、女性医師の増加も背景にあるように感じます。
女性医師の増加と働き方改革
最近女性医師を巡っては、医学部の入試制度問題など大きく取り沙汰されていますね。
少し前の資料ですが、厚生労働省のデータでも平成24年時点で、医師全体に占める女性の割合は20%近くになっております。
しかし世界的にみると、先進国の中でも女性医師の割合は日本は最低クラス。
今後人口問題を考えると、女性の医師も今以上に増えてくることは間違いありません。
数十年前は「女性は結婚、出産で一線を退くから雇用しにくい」というイメージが強かったです。
現場の意識が雇用しにくい…となれば、実際働く女性医師の先生方が働きにくさを感じたのは当然のことです。
しかし最近では、医師でも利用できる託児所の整備、時短常勤制度の導入、医師の復職支援制度を導入する病院など…
一度臨床から離れた先生や、子育てしながら働く先生がより働きやすい環境を整備する病院も増えてきました。
託児所や、復職支援などは、ある程度大きな病院で医師の在籍数も確保できている病院でないと導入できません。
かつては脇目も振らず働く職場とされてきた病院が、生まれ変わろうとしている潮目です。
女性医師=子育て、これは当然のようで、ある種偏見もあります。
ここ数年で、男性の育休取得が謳われ、更には「イクメン」という言葉の通り男性の子育て参画が当然という世の中の流れです。
実際に医師の業界も少しずつ変わりつつあり、お子さんが生まれるため就業環境を変えたい、当直なしの職場に移りたい、残業がない職場を知りたい、土日ないしは日祝休みの職場を希望したい…といった希望をいただくケースが増えました。
先輩コンサルタントに聞くと、10年、20年前はこういった希望自体が「あり得ない」ものだったそうです。
しかし最近では、かつてのあり得ない希望を叶えて差し上げる職場のご紹介もできるようになりました!
転職のプロにもご相談ください
私たちコンサルタントは、そういった先生のお悩みを聞き少しずつでも前進できるように、一緒にこれからのキャリアを考えるのが仕事です。
ただ転職活動となると、就業先のお相手があって成立するもの。
面接いただく先生は、もちろん今まで豊富なご経験を積まれた先生方です。若手医師の透ける思いに「これだからゆとりは」と、感じられるかもしれません。
もちろん医療業界だけではない、この時代の流れもあります。必ずしも迷子になっている先生が、悪い医師ではないと思います。
本質的に良い人間性である先生を、一緒に選考していただけると嬉しいなと感じております。
「やりたいことがない」「医師を続ける自信がない」という先生。
そういった思いを持つのは、あなただけではないかもしれません。是非悩んだら、一度コンサルタントに相談してみてはいかがでしょうか?
これからの長いキャリアの中で、迷うことも回り道ではありませんので、どうぞご安心ください。
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30代地方都市在住の現役麻酔科医です。転職会社を探していたところ怪しい情報が次々に出てきたため、自分と周囲の先生方が使った感想を記します。
現役の美容外科医。健康や予防医学などの講演活動や保護犬活動を行う。京都府立医科大学卒業。日本医師会認定産業医、日本抗加齢医学会所属。
新米医師転職コンサルで、以前は看護師向けの転職会社で勤務していた。看護師とは全く違う医師の世界に悪戦苦闘中。